京都障害者就業・生活支援センター副所長 清水一史さん

Q1.まず最初に京都障害者就業・生活支援センターの役割と取組について教えてください。

当センターは、京都市内にお住いの障害者のある方を支援対象としています。主に、就労の中でも一般就労を希望する方を対象に、障害のあるご本人との相談対応や、地域の支援機関や障害者を雇用されている企業に対して助言を行っています。

当センターの取組として、障害のあるご本人に対しては、当センターにお越しいただき、面談を行います。勤務先への対応としては、企業訪問する事もしています。その他の取組としては、地域の支援機関に対して研修会を開催し、支援機関の横のつながりを作るネットワークづくりや、企業を対象とした障害者雇用に関する研修会を実施しています。

Q2.京都障害者就業・生活支援センターでは、生活支援の取組もされているそうですが、どのような生活支援を受けられますか

当センターでは定着支援の一環として、余暇活動に向けた支援として、定期的に在職者交流会を実施しています。具体的には、働いている障害のある方を対象に、月1~2回(平日と土曜日)交流サロンを開催しています。喫茶店の一角をお借りして、みなさんでお茶を飲みながら、テーマを決めず語り合う場をご用意しています。

また、3か月に1度、働き続けるための『定着セミナー』を開催しています。内容としては、お金の使い方やSNSの使い方について等、様々なテーマを設定しています。最近では、グループワーク形式で自分に合ったパーソナルカラーを見つけたり、他者が似合う色を見つけてあげることで交わす会話を通して、交流を深めていただこうという取り組みをしています。

また、『お出かけ企画』も実施しています。今から3年前に『JRに乗って琵琶湖一周』というイベントを企画しました。安価な運賃で琵琶湖を一周する工夫を通して、楽しみながら外出する方法を知っていただく内容で、大変好評でした。また、障害者手帳を使って行ける場所を知っていただく機会として、マンガミュージアムなどに行ったりしています。どちらのイベントも参加された方から大変人気だったので、今後もニーズに沿った企画を考えています。

Q3.現在、清水さんはどのような仕事をされていますか

私は副所長の立場ですので、職員の管理的な仕事もやりつつ、相談者の方への直接相談支援を行ったり、地域の支援機関や企業・京都市・京都市内の総合支援学校への訪問なども行っています。それらの関係機関で開催される会議に参加したり、研修会の運営に携わって企画を考えています。また、これまで関わりのなかった企業の初期対応を担当しています。

Q4.どんな場面で、仕事のやりがいを感じますか

障害のある方がいきいきと働かれているところを見ると、とても嬉しいです。また、それを支える支援者や企業担当の方から「相談してよかった」「なかぽつ(※)に関わってもらって助かってます」などのお声を頂く時が一番やりがいを感じます。

※ なかぽつ…京都障害者就業・生活支援センターの略称。

Q5.やりがいについて印象的なエピソードを教えてください

仕事が長く続かない障害のある方が、なかぽつに相談に来られ、その方を就労移行支援事業所にお繋ぎしました。ご本人も就労支援移行事業所の訓練を通じて、自分の特性や、やりたい職種を見つけられ「あらためて仕事探しを頑張りたい」と再度当センターにお声を頂きました。その頃、以前からなかぽつと関わりのある企業の方から「働く方を紹介してほしい」との依頼があり、両者を結びつけることが出来ました。そして、ご本人がその企業で現在も継続して働くことが出来ていることを知り、自分としてやりがいを感じたというエピソードがあります。

このように「働く前から働いた後まで関わることができる」というのは、当センターの特長でもありますし、働いていてやりがいを感じることでもあります。