≪障がいの受容と周りの理解≫

≪障がいの受容と周りの理解≫
(社)京都精神保健福祉推進家族会連合会 理事 静 津由子

京都市施策において、障害者の就労支援に取組んでいただけ、障害者に対しての雇用の場が今までの狭き門に幅を増し希薄だった一般就労に光が射し期待を寄せ 感謝しております。
しかし、一般論では社会で働くためには、障害のある方もない方も基本的生活習慣と健康管理が不可欠な条件となっています。
でも、精神障害を抱え持つ本人達は 自分達で基本的生活習慣と健康管理を維持しようと努力を怠らなくても、病状からその条件が翻ることが往々にして起こり得る特性を秘めています。幾ら就労意欲が有っても病状的に継続性が難しいこの精神疾患は、他の障害をお持ちの方よりも遥かに周りの理解(精神疾患の特性理解・個々の対応・対処等々)が無ければ就労に至るまでには相当な時間を要します。
何故なら、就労に失敗したときの本人の落込み、それを支える親の苦労、二度と味わいたくない急性期、本人のことは家族が一番良く知っている、本人が楽しく作業所に通ってくれれば充分 等々の両者の不安を取除き、無理なくストレスや過重な負担を強いることなく、本人が挑戦する意欲をもてるような就労支援の仕組みづくりをすることが大切と思っています。その為には先ず、就労の前段階として自分の病状を把握し、得手・不得手を自覚する「自己理解」が必要だと思っています。それに加え、就労に対しての不安を取除くべき就労体制、受け入れ基盤の整備、受け入れ態勢の充実を図ることが先決ではないでしょうか?
うたい文句の中では確かに、就労移行支援事業所・就労継続支援事業所(A型・B型)は、施設の中で訓練を受けながら、就労に向けての力をつける為の訓練から職場定着まで、同じスタッフが支援してくださると明示してありますが、職場定着後の本人のホロー支援体制強化が何よりも重要で、そこに支援の手が届くことにより、障害者の就労継続が由り保たれ、就労に対しての意欲が高まるのではないかと思っています。
障害を抱え持つ本人が、自らも勇気を出し一筋の光を掴んで欲しいと願うばかりです。